時生
あの子に訊きたい。生まれてきてよかった?
東野圭吾さんの「トキオ」
とても名作です!
口だけで言い訳ばっかりの拓実の前に現れた
自分の息子だというトキオという青年。
トキオのことを他人のように思えない拓実は、
行方不明になった恋人を一緒に探し始めます。
自堕落な生活を送って口を開けばいつかビッグになると言う拓実。
最初のほうは拓実にイライラします。
でもトキオや恋人・千鶴の友達の竹美とともに千鶴を探すうちに
だんだんと成長していくのがわかります。
竹美の
「配られたカードで精いっぱい勝負するしかないやろ」
トキオの
「どんな短い人生でも、たとえほんの一瞬であっても、
生きているという実感さえあれば未来はあるんだよ。
明日だけが未来じゃないんだ」
拓実と同様に胸に響く言葉でした。
トキオのおかげで真人間になっていく拓実。
前半と後半では別人のようになっています。
誰でも変わるきっかけ、人生感が変わる一言とかあるとは思いますが
それを与えてくれたのが未来の自分の子どもってファンタジーな世界ですけど、
いいなと思います。
そして現代は難病で意識不明のトキオ。
難病は低くてもなる可能性はあると思いますし、
自分が難病になったら、
難病でなくても命にかかわる病気になったら、
親に生まれてきてよかったというのを伝えいと思います。
ならないのが一番ですが(笑)
そして最後の一行にやられました。
ここからすべてが始まったんだと思い涙です。
自分の成長、生きる意味、親への感謝の気持ちなどが入った名作だと思います。
たくさんの方に読んでいただきたい作品です。
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